こんにちは!ドライブレコーダー専門家で「車とカー用品の研究室 LaBoon!!」編集長の鈴木朝臣です。
最近のドライブレコーダーでは、「STARVIS 2搭載」をアピールするモデルが増えています。
ドラレコの画質、とくに夜間の見え方はイメージセンサーの性能に大きく左右されます。
現在のドラレコ市場では、SONYのCMOSセンサーを採用するモデルが非常に多く、夜間性能を重視する製品ほどその傾向が強くなっています。
ただし、STARVIS 2という言葉だけを見て選ぶと、製品の実力を見誤ることもあります。
なぜなら、SONYのセンサー技術は
- Exmor系の基盤技術
- STARVIS世代
- STARVIS 2世代
という流れで進化しており、最終的な画質はセンサー単体ではなく、ISP(画像処理エンジン)やレンズ、チューニングを含めた全体設計で決まるからです。
この記事では
- SONYセンサーの進化の流れ
- Exmor系からSTARVIS 2までの違い
- STARVIS 2搭載ドラレコを選ぶ際のポイント
- STARVIS 2の性能を活かしたiRecoの特徴
を、技術面も踏まえて解説します。

ドラレコの画質を左右するのはイメージセンサー
ドライブレコーダーの画質を決める要素はいくつかありますが、その中でも土台になるのがイメージセンサーです。
イメージセンサーは、レンズから入った光を受けて電気信号に変換する部品です。
この部分の性能が不足していると
- 夜間映像が暗い
- ノイズが多い
- 明るい部分が白飛びする
- 暗い部分が黒つぶれする
といった問題が起きやすくなります。
現在のドラレコ市場では、SONY製CMOSセンサーが事実上の標準となっており、多くのメーカーがこれを採用しています。
SONYセンサーの進化の流れ
ドラレコや監視カメラで語られるSONYセンサーの進化は、次の流れで理解すると分かりやすいです。
- Exmor系:CMOSセンサーの基盤技術
- Exmor R系:裏面照射による高感度化
- STARVIS:監視用途向け高感度センサー
- STARVIS 2:ダイナミックレンジをさらに強化
つまりSTARVIS 2は突然生まれた技術ではなく、SONYのCMOSセンサー技術の進化の延長にある世代と考えると理解しやすいでしょう。
Exmor世代とは
ExmorはSONYのCMOSセンサー技術の基盤となる名称です。
この世代ではカラム並列A/D変換などの技術によって、高速処理と低ノイズ化が進められました。
従来のCMOSセンサーと比べて画質や読み出し性能が大きく改善されたのがこの世代です。
ただし、夜間性能という観点では、さらに大きく進化したのが次のExmor Rです。
Exmor Rで裏面照射構造に進化
Exmor Rは、Exmor系を裏面照射型にした技術です。
通常の前面照射型センサーでは、配線層が先に光を遮るため、受光効率に制限があります。
これに対して裏面照射型では、光がフォトダイオードに直接届く構造になるため
- 受光効率の向上
- 低照度性能の改善
- ノイズ低減
といったメリットがあります。
この裏面照射構造が、後のSTARVIS世代のベースにもなっています。
STARVIS世代とは
STARVISは、SONYがセキュリティカメラ用途向けに展開している裏面照射画素技術です。
可視光だけでなく近赤外領域でも高画質を狙う設計が特徴です。
暗い環境でも被写体の形状や色を認識しやすくすることを目的としています。
この世代によって、監視カメラやドライブレコーダーの夜間撮影性能は大きく向上しました。
夜間の道路や駐車場など、光量が少ない環境でも映像を取得しやすくなったのがSTARVIS世代です。
STARVISとSTARVIS 2の違い
STARVIS 2はSTARVISの後継技術です。
大きな特徴はダイナミックレンジの拡大です。
Sonyの資料では、同一画素サイズの比較で単一露光時のダイナミックレンジがSTARVISより8dB以上広いと説明されています。
夜間の道路では
- ヘッドライト
- 街灯
- 信号機
- ナンバー灯
など強い光源が存在します。
一方で、その周囲には暗い歩道や自転車、歩行者などが存在します。
ダイナミックレンジが不足すると
- 明るい部分は白飛び
- 暗い部分は黒つぶれ
という映像になります。
STARVIS 2は、このような明暗差の大きい環境により強くなった世代と言えます。
STARVIS 2は動体撮影にも配慮した設計
Sonyの開発資料では、従来のHDRでは複数露光の合成により動体ブレや色ずれが起きる場合があると説明されています。
STARVIS 2ではClear HDRと呼ばれる方式により、動体撮影時の不自然な色付きやブレを抑えることを狙っています。
ドライブレコーダーは走行中の映像を記録する装置です。
- 前方車両
- 対向車
- 歩行者
- 自転車
など動く被写体が多いため、このような技術はドラレコ用途と相性が良いと言えます。
STARVIS 2搭載だけでは高画質とは限らない
ただし、STARVIS 2を搭載していれば必ず高画質というわけではありません。
ドラレコの最終画質は
- イメージセンサー
- ISP(画像処理エンジン)
- レンズ
- 映像チューニング
などの組み合わせで決まります。
実際に私は過去のレビューでSTARVIS 2センサーを採用した低画質ドラレコも見てきました。
STARVIS 2の性能を十分に活かすためには、センサー以外の設計も重要になります。
STARVIS 2搭載ドラレコのおすすめを選ぶポイント
STARVIS 2搭載ドラレコを選ぶ場合は、次の点を見るのがおすすめです。
- 白飛びと黒つぶれのバランス
- 歩行者や自転車など周囲の情報が見えるか
- 夜間の明暗差に強いか
- センサー以外の設計思想が明確か
つまり重要なのは「STARVIS 2搭載」というスペックではなく、「STARVIS 2をどう活かしているか」です。
STARVIS 2の性能を活かしたドラレコがiReco
STARVIS 2の性能を活かしたドラレコとして注目されているのがiRecoです。
iRecoでは
- STARVIS 2センサー採用
- 暗所を想定したISPチューニング
- センサー性能を活かすレンズ設計
といった構成により、夜間の視認性を重視した設計が行われています。
前方車両のナンバーだけでなく、事故時に重要になる周囲の状況まで記録できるようバランス調整されているのが特徴です。
iRecoは専用ビューワーでもアドバンテージがある
iRecoの特徴の一つが専用ビューワーです。
専用ビューワーでは
- 暗部の明るさ補正
- 見たい部分の視認性向上
といった調整が可能です。
つまり録画後でも映像の見やすさを底上げできます。

STARVIS 2の高感度・広ダイナミックレンジで撮影した映像を、確認時にさらに活かせるのが大きな利点です。
まとめ
SONYのセンサー技術は
- Exmor系の基盤技術
- Exmor Rによる裏面照射化
- STARVISによる高感度化
- STARVIS 2によるダイナミックレンジ強化
という流れで進化してきました。
STARVIS 2は夜間や逆光、明暗差の大きい場面に強い世代です。
ただし重要なのは「STARVIS 2搭載」というスペックだけではなく、その性能を活かす設計です。
センサー、ISP、レンズ、ビューワーまで含めて夜間性能を重視したiRecoは、STARVIS 2搭載ドラレコの中でも注目すべきモデルと言えるでしょう。
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2015年に趣味が高じて、車とカー用品の研究室 LaBoon!!の運営をはじめました。
現在では自分が使いたいガジェットの商品企画・開発・販売も手掛けています。
