ドライブレコーダーで常時録画を行う方法について解説

こんにちは!ドライブレコーダー専門家で「車とカー用品の研究室 LaBoon!!」編集長の鈴木朝臣です。

最近はGoogle検索で「ドライブレコーダー」+「常時録画」というキーワードで検索している方が増えているようですので、この記事ではドライブレコーダーの常時録画について解説します。

「ドライブレコーダー」+「常時録画」で検索する人は駐車監視がしたい人?

そもそも「常時録画」というワードは世界各国のドラレコ業界では「走行中の録画モード」の事を指し、国によっては「走行録画」「運行録画」などのニュアンスの言葉で表現されています。

ドラレコを使った事がある、またはそこそこドラレコに詳しい方であれば、

・「常時録画」=「走行中の録画モード」

と認識されている事でしょう。

なお、現在ではほぼ全てのドラレコにおいて走行中に「常時録画」を行う事が普通である為、「ドライブレコーダー」+「常時録画」というキーワードで検索している方は、ドラレコに詳しくない方だと思います。

ドラレコに詳しくない方が連想する「常時録画」とは、「駐車中の常時録画」の方なのではないでしょうか?

そこでこの記事では、ドラレコに詳しくないけど「駐車監視」を検討している方向けに、最新のの情勢を踏まえた上で、「駐車監視」の仕組みと「駐車監視」対応モデルの選び方について解説します。

駐車監視は「常時録画」の録画方式だけではない

まずはドライブレコーダーの駐車監視の仕組みについて解説しますが、駐車監視にはメーカーや製品によってこのような録画方式の違いがあります。

・駐車監視専用の「常時録画」モードに切り替える
・タイプラプスモードに切り替える(1~15fps、fpsは1秒当たりの撮影コマ数)
・動体検知モードに切り替える
・駐車監視専用の「衝撃検知」モードに切り替える

それぞれの録画モードのメリットデメリットはこちらの通りです。

駐車監視専用の「常時録画」モード

こちらはコムテックの製品で多く見られる録画方式で、エンジンがOFFになると駐車監視専用の「常時録画」モードに切り替わります。

走行中の「常時録画」と同じように同時に「衝撃検知録画」も行いますが、駐車監視中の衝撃検知感度をより敏感に設定する事が可能ですので、走行中には検知しないドアの開閉程度の衝撃も検知してイベントファイルとして保存します。

※イベントファイルは走行中・駐車監視中の常時録画ファイルで上書きされません。

この方式の駐車監視のメリットは以下のポイントです。

・「常時録画」+「衝撃録画」のダブル録画の為、当て逃げだけではなくイタズラ対策にも有効である

デメリットは以下のポイントになります。

・「常時録画」には大きなmicroSDカードの容量が必要な為、「衝撃検知録画」以外は数時間で上書きされてしまう。
・消費電力が大きく、長時間の監視はバッテリーの寿命を縮める

従って当て逃げ対策だけを考えている場合にはこの方式は強いものの、イタズラ対策や3カメラのドアパンチ対策を考慮する場合にはカード容量がネックとなり易いと言えます。

タイプラプスモード

タイプラプスモードとは、指定した録画フレームレート(1秒当たりのコマ数)で「常時録画」を行うモードです。

こちらはコムテック、ユピテル、その他の多くのメーカーの製品に採用されている録画方式です。

一般的なドライブレコーダーの走行中の録画フレームレートは27~30fpsとなっていますが、録画ファイルの大きさは、解像度×フレームレート×ビットレート(圧縮具合)で決まりますので、タイプラプスモードにはフレームレートを落とす事で録画ファイルのサイズを小さく出来る、つまりは…

・長時間の録画ファイルを上書きさせずに保存が可能である

というメリットがあります。

一方でデメリットは以下のポイントになります。

・フレームレートの設定によっては決定的瞬間を取り逃がす可能性がゼロではない
・音声を録音する事が出来ない
・消費電力が大きく長時間の監視はバッテリーの寿命を縮める

なお、コムテックやユピテルのタイプラプスモードは1fps(1秒1コマ)の固定となっている製品がほとんどですが、VANTRUEでは1/3/5/10fpsなどの幅広い設定が可能ですので、イタズラ対策・当て逃げ対策の両方を考慮する場合にはフレームレートを調整できる製品がおすすめです。

タイムラプスによる駐車監視が可能なおすすめドライブレコーダー 

動体検知モード

動体検知モードは、画面内の動きを検知して自動で一定時間の録画を行う方式で、ケンウッドやユピテル、セルスター、VANTRUEなどの一部の製品で採用されています。

動体を検知した時だけしか録画を行いませんので、少ないデータ量で問題のシーンだけを録画する事に適しています。

従って長時間の当て逃げ対策、イタズラ対策を考慮した場合の録画方式としてはバランスに優れた録画方式と言えますが、いくつかデメリットも存在します。

メリットはこちらの通りです。

・少ないデータ量で問題のシーンだけを録画する為、長時間の当て逃げ対策、イタズラ対策に最適

一方でデメリットは以下のポイントになります。

・周囲の状況によっては動きを検知出来ない事がある
・製品によっては動体検知の保存領域が小さく、ファイルが上書きされてしまう事がある(ケンウッド)
・消費電力が大きく長時間の監視はバッテリーの寿命を縮める

特に3~4カメラモデルによるドアパンチ対策などの場合には、動体検知ではサイドの小さい動きをキャッチ出来ない、またはキャッチが遅い事があるので、3~4カメラでの運用の際にはタイプラプス、または常時録画モードでの運用がおすすめです。

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「衝撃検知」モードでの駐車監視

ここまでに解説した「常時録画」「タイプラプス」「動体検知」の録画方式の駐車監視には、合わせて「衝撃検知」によるイベント録画がセットになる製品も多いのですが、ここでは「衝撃検知」によるイベント録画だけ、を行う駐車監視モードについて解説します。

こちらは原則としてはドライブレコーダーのカメラ機能が一切停止した状態で、衝撃センサーのみを通電させた状態で待機を行う仕様です。

この状態から衝撃センサーが異常を検知すると、ドライブレコーダーの起動を開始し、起動後に一定時間の録画を行います。

この録画方式はコムテック・セルスター・ケンウッド・VANTRUEの大手メーカーの製品で選択が可能です。

メリットはこちらの通り。

・省電力で待機するのでバッテリーへの負担が少ない

方でデメリットは以下のポイントになります。

・衝撃を検知してからの起動なので、録画開始まで数秒~10秒程度掛かり、問題の瞬間が映らない
・イタズラ対策としてはほぼ無力である

駐車監視の際の電源の確保

駐車監視を行う場合には駐車中もドライブレコーダーを駆動させる電源が必要になりますが、最近では以下の方法がスタンダードな電源確保の方法となっています。

・車のバッテリーから給電する
・ドラレコ専用の外部電源から給電する

なお、これらの電源供給方法にはそれぞれメリットとデメリットが存在しますが、順に説明すると以下の通りとなります。

車のバッテリーから給電する

最もスタンダードなパターンが、車のエンジンが停止している状態でも車のバッテリーからドライブレコーダーに給電を行い、駐車中も録画を行う方法です。

メリットとしては、既存の車のバッテリーを使用する為、大きなコストが掛からないという点が挙げられます。

ただし、バッテリーの寿命が縮んだり、バッテリーが上がってしまう可能性もゼロではないというデメリットも存在します。

また、ドライブレコーダーの各モデルごとに専用のケーブルが必要になり、取り付けもシガーケーブルではなく、ヒューズから電源を取りだす必要がある為、取り付けの難易度は上がります。

コムテックの場合には、このようなオプション扱いの3芯ケーブルを使用します。

なお、バッテリーの保護対策としては…

・バッテリーの電圧が一定値以下になると自動で電源を遮断する
・タイマー設定機能で指定した時間で自動で電源を遮断する

などの機能が搭載されている製品も多いですが、それでも100%バッテリーが上がらないとは言い切れず、上がらずとも確実に寿命が縮みますので、各メーカーともに駐車監視によるバッテリー上がり・バッテリー劣化に関しては免責事項としています。

因みにトヨタでは純正扱いのコムテックの一部のドラレコの説明書に、バッテリー劣化のクレーム予防策として「駐車監視は1時間を目安として下さい」との注釈を入れています。

従って一日数時間以上の長時間の駐車監視検討している方は、次の外部バッテリーからの給電を検討した方が良いでしょう。

【検証】ドラレコの駐車監視でバッテリーの寿命はどれくらい縮むのか? 

ドラレコ専用の外部バッテリーから給電する

車のバッテリーを傷めずに長時間の駐車監視をしたい方向けには、ドラレコ専用の外部バッテリーがおすすめです。

モバイルバッテリーでの駐車監視も可能な製品もありますが、車両火災の危険があります。

ドラレコ専用のバッテリーについては高温に晒されると発火の恐れがある通常のリチウムイオンではなく、ハイブリッド車にも搭載されているリン酸鉄リチウムなどの安全性の高い電池が使われているものもあります。

安全性を重視する方はドラレコ専用の外部バッテリーを検討されると良いでしょう。

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