こんにちは!ドライブレコーダー専門家で「車とカー用品の研究室 LaBoon!!」編集長の鈴木朝臣です。
外出先の駐車場で車に戻ったらドアに傷が付いていた!
皆さんはそんな経験はありませんか?
私は10年以上前に一度経験していますが、その時はドラレコで駐車監視をしていなかったのでタッチペンで軽く誤魔化して何も起きなかった事にしつつ、精神的ダメージを軽減しました(笑)
最近ではドラレコの普及率の上昇に伴い、2カメラドラレコでしっかり駐車監視をしている方も多いと思いますが、実は2カメラドラレコではドアパンチの証拠を確実に押さえる事は難しく、折角気合を入れて駐車監視をしていてもドアパンチの証拠を残せない可能性があります。
通常の2カメラドラレコではドアパンチ対策には不充分である理由
一般的なドラレコの駐車監視モードでは、衝撃検知・動体検知・常時録画(タイムラプスも含む)によってイベント録画を行う製品が多いのが実情です。
しかしながら、ドアパンチの衝撃は軽微ですので、衝撃検知タイプの駐車監視ドラレコではイベント録画が発生しない可能性が高くなります。
その一方で、動体検知・常時録画タイプでの駐車監視モデルであれば、前後の時間帯の映像の状況から、ある程度は犯人の目星は付けられる可能性があるものの、サイドのドアパンチの映像が映っていない場合には、警察が捜査してくれない可能性が高くなると思われます。
仮にその時間帯に隣の駐車スペースに1台しか駐車した車両がなかったとしても、ドアパンチの瞬間が映っていなければ第三者から見てその傷がいつ付いたかも分かりませんし、こちら側が難癖を付けていると見られる恐れもあります。
従って2カメラドラレコで自衛していても、ドアパンチからの逃亡には、有効な手が打てない可能性が高いと言えます…残念ながら。
ドアパンチの瞬間を映せるドラレコのタイプ
前述の理由から、ドアパンチの瞬間をバッチリ映したいのであれば、横方向が撮影できるドライブレコーダーが必要になります。
横方向が撮影できるドライブレコーダーと言えば
などが挙げられますが、それぞれの製品にはメリット・デメリットがありますので自分の使い方、目的に合った製品を選ぶ必要があります。
なお、これらの製品は消費電力が大きく、動体検知や常時録画、タイムラプスなどの駐車監視に強い録画方式を採用していますので、車のバッテリーに大きな負荷が掛かり、最悪の場合にはバッテリー上がりを起こす事もありますので、駐車監視用の外部バッテリーとの併用がおすすめです。
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360°ドラレコ
従来の360°ドラレコはその撮影範囲の広さと貧弱な解像度の関係で、相手の車のナンバーを映す事が出来ませんでしたが、一部にはその弱点を克服した製品も存在します。
コムテック「ZDR037」
2021年に発売されたコムテックの「ZDR037」は、800万画素4K相当の高解像度での録画を行う事で、ナンバーの認識精度が大幅に向上しています。
車内側はピラーや座席で遮られない限り全方位が映りますので、横方向の認識能力も抜群に高いのが特徴です。
また駐車監視の録画方式は次の3つから選択する事が可能です。
・常時録画+衝撃録画
・タイムラプス(1fps)
ドアパンチの瞬間を確実に捉えたいのであれば「常時録画+衝撃録画」での運用がおすすめです。
ただし、本機は夜間の撮影能力がそれほど高くはなく、暗い場所では真っ暗に近い状態になってしまいます。
また、夜間は高感度ノイズが増える為、ナンバーも読み取れません。
従って夜間のドアパンチ対策としては期待出来ませんので、昼間のドアパンチ対策限定と考えた方が良いでしょう。
3~4カメラドラレコ
最近は前後と車内の横方向が撮影できる3~4カメラドラレコも増えつつあり、このタイプは通常の前後2カメラと室内向けに設置するインナーカメラを装備しており、このインナーカメラによって横方向の状況が把握できるようになっています。
フロント・リアカメラのナンバー認識精度も充分高く、コスト対効果を考えるとこのタイプが最も現実的な選択肢になろうかと思います。
VANTRUE「N5」
VANTRUEの「N5」は、4カメラ録画による従来モデルの死角をカバーした、全方位録画の最新モデルで、現行のドラレコとしては最も高性能な製品です。
本製品はフロント筐体の前後とリア用の筐体に、500万画素・200万画素・200万画素・200万画素のカメラを搭載し、2.5K/フルHD/フルHD/フルHDの高解像度録画を行います。
フロントカメラは2.5Kの高解像度録画を行いますので、ナンバー認識精度が非常に高い上、動画の明るさを自在に調整できるPCのVANTRUEビュワーを使って再生する事で、従来のドラレコの明るさの限界値を余裕で振り切る明るさを実現しています。
駐車監視の録画方式は次の4つから選択する事が可能です。
なお、ドアパンチ対策が目的であれば、動体検知では小さい動きに反応しなかったり、反応が遅れてしまう事がありますので、5fpsのタイムラプスモードでの運用をおすすめします。
また、駐車監視の際の消費電力がドラレコとしてはかなり大きい7.5W程度になりますので、他の製品を使うよりもバッテリーへの負荷が大きくなります。
従って長時間の駐車監視は、外部バッテリーと合わせて運用しなければ、バッテリーの寿命を極端に縮める恐れがあります。
VANTRUE「N5」の駐車監視の使い方とおすすめ設定について解説
カーメイト ダクション360D「DC4000R」
カーメイトのダクション360D「DC4000R」は、ドラレコとしての総合的なバランス面で最も優れた製品の一つです。
この製品は過去の同社の360°ドラレコのダクションシリーズから、アクションカメラの要素を排除してドラレコの実用性に全振りした特性となっている為、もはや「ダクション」=「ドライブ+アクション」を名乗るには相応しくない製品だと思いますが、ドラレコとしての総合的なバランス面では最も優れた製品の一つとなっています。
基本仕様は400万画素の360°カメラ+200万画素のフロントカメラ+200万画素のリアカメラという構成となっており、360°カメラと合わせるフロントカメラという前提のもとに、視野角を狭めてナンバーの認識精度を向上させようという工夫が見られます。
駐車監視の録画方式は以下の2通りの組みわせとなります。
3カメラでの録画仕様は、現行ドラレコとしてはほぼ最強と言えます。
ただし、タイマー設定時間に制約があり、この3カメラでの録画は最大で12時間までしか継続出来ません。
また、駐車監視モードを使わずに走行中の常時録画モードを継続させた場合には、サポートされている最大容量のmicroSDカード、128GBでも354分(6時間弱)のデータしか保存する事が出来ません。
従って12時間を超えるような長時間の駐車監視には向いていないと言えます。
ダクション360D「DC4000R」の駐車監視の仕組みと使い方について解説
2カメラドラレコ+サイド専用ドラレコ
現状では業界唯一かと思いますが、既設の2カメラドラレコに追加する形のサイド専用のドラレコも存在します。
今使用しているドラレコを無駄なく使えるメリットもありますので、こちらも検討の余地はありそうです。
スマートレコ「WHSR-S100」
スマートレコ「WHSR-S100」は、クオーターガラスやドアの内張に設置するサイド専用の2カメラドライブレコーダーです。
比較的視野角も広く、駐車監視も動体検知、衝撃検知に対応するなど、利便性の高い機種ですので、既に駐車監視対応の2カメラドラレコを運用している方は検討してみて下さい。
実機レビュー Smart Reco「WHSR-S100」の評価
「WHSR-S100」の駐車監視の仕組みと使い方について解説
まとめ
以上、ドアパンチ対策に有効であろう360°タイプのドライブレコーダーについてご紹介しました。
最近はこのカテゴリーの選択肢が増えていますが、証拠能力では強力なダクション360Dでは、前後の状況が撮影可能な「前後録画」のタイマー制限が12時間までとなっているなどの問題があります。
総合力ではVANTRUEの「N5」が優れているとも言えます。
VANTRUE「N5」の駐車監視の使い方とおすすめ設定について解説
2015年に趣味が高じて、車とカー用品の研究室 LaBoon!!の運営をはじめました。
現在では自分が使いたいガジェットの商品企画・開発・販売も手掛けています。
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